西ジャワ州ブカシ県やカラワン県に住む邦人を対象にした東部ジャカルタ日本人学校(仮称)の設立準備委員会はこのほど、学校建設に向けた土地選定を終え、デルタマス(西ジャワ州ブカシ県チカランの複合開発地域)を候補地とすることを決めた。文部科学省への申請や資金の確保など課題は残るが、2019年4月の開校を目指し、活動を進めていく。
候補地はデルタマスの工業団地グリーンランド国際工業センター(GIIC)マーケティングオフィス近くの約4ヘクタールの土地。チカンペック高速道出口から1.5キロほど南に位置する。
設立準備委員会は6月に初会合を開いた後、土地選定に向けて候補地の条件を検討してきた。
その後、不動産業者向けに開かれた説明会では、ブカシ、カラワン間に位置しており、3ヘクタール以上の面積がある▽近隣に日本人が住めるような住宅や総合病院が存在する、またはその建設計画がある▽洪水の危険がなく風通しが良い——といった環境面での条件を提示した。
募集に対してデルタマスを運営するプラデルタ・レスタリ(双日、不動産開発大手シナールマス・ランドが出資)など、不動産開発業4社が名乗りを上げた。
委員会は各候補からのヒヤリングや土地の現場視察などを実施。11月末の委員会会合でデルタマス内の敷地を候補地とすることを全会一致で決議した。
土地建物について比較的好条件で賃貸することで、初期費用を含めた資金負担が最も軽くなることや、候補地の隣接地に日本人向けアパートメントを建設する計画など、総合的なパッケージを提供したことが決め手となった。
19年開校のためには今後、運営母体となる法人設立の準備を進め、18年5月ごろまでに文部科学省へ申請する必要がある。運営資金調達のあり方についても検討を続けている。
設立準備委員会はジャカルタの東方に拠点を持つ製造企業を中心としたジャカルタ・ジャパンクラブ(JJC)法人会員、チカラン日本人会(CJC)、日系工業団地管理会社などからの委員19人とアドバイザーで構成される。阿部栄一委員長は「資金面での支援も含め候補地が決まったのは大きな前進。どのような運営体制としていくかなど、まだまだ課題は多いが一つずつ着実に進めていく。そのために邦人の皆さまのご支援とご協力をお願いしたい」と話した。(記事・平野慧記者)
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