城田実さんコラム 第45回 社会の変容とパンチャシラ(Vol.109 2019年7月23日号メルマガより転載 ) コンパス紙の世論調査によると、今年の大統領選挙は「前回よりもみにくい選挙戦だった」と答えた人が6割、選挙後に最も緊急に取り組むべき課題として8割以上の人が「選挙で分断された社会の修復」を挙げたそうである。ジャカルタ知事選挙の最中には、アホック候補を支持した人の葬儀が、反アホックの住民が圧倒的に多いモスクで拒否されたことがあった。冠婚葬祭を大事にするこの国では驚くばかりの出来事だったが、選挙の傷跡はいまどのような状態になっているのだろうか。 インドネシアでは、コミュニティーは融和が第一、対人関係でも決して物事をあらげないことが最大の美徳だと教えられた。個人的な限られた経験ではあるが、実際に周りのインドネシア人が隣近所との付き合いを大...23Jul2019城田 実「インドネシア生々流転」