「熊谷直人」氏といえば「鍵屋」で知られているけど、どうも軽妙なおしゃべりの印象が強くて仕事の方はどうかなぁ・・・と正直どこかで思っていた。
いざ経費削減で自分の工場で警備員の減員を検討した時、自分で答えが出せずに誰かに相談しようかとしたら誰もいなかった。
でも、この人の名刺にはこんなことが書いてあるし。
実際工場に来てもらい、要望を伝えていっしょに現場をチェック。
すると、指摘されることがいちいち理にかなっているのでちょっと驚いた感心した。
実は、「誰でも考えつきそうなことを言うだけじゃないの?」と思っていたのだけど、そうではなかった。
たとえば下の工場の扉の施錠。
工場竣工の時から21年間変わらずこのまま。
何一つ疑いを持ったことがない。
・・・が、
「これ外側に南京錠があるとやられますね」 えええっ?
「しかも、掛け金が細いから、大きめのペンチやワイヤーカッターで切断できます」 えええっ?
「掛け金をもっとぶっといものに替えるか、扉の内側に移してください」 えええっ?
そんなこと初めて言われた。
というか、そもそも人に訊いたこともないし、自分で考えたこともなかった。
工場ではないが、自宅に通うお手伝いさんについての話題になった時、 CCTVカメラを設置するのも一つの方法だと思うと言ったら、すぐこう返された。
「それもいいですね。で、大事なのは最初にお手伝いさんにCCTVがあるよと伝えることです」
「それを知って実際に辞めてしまう人もいます。だからこそ最初にフェアに言うことが大事」
これは防犯の考え方というよりスムーズな物事の進め方、いわばマネージメントの領域。
こういう発想が、残念ながら自分にはどうしても出て来ない。
リスク・マネージメントのプロの仕事だと言わざる得ない。
「ずっと犯罪者の心理を勉強してきたので、自分ならどこからどういうふうに侵入するかと考えることができます」
そのくらい自分にもできると思っていたけど、実際の現場を前にすると、さすがに勉強を重ねて来た人の知識と考え方は違う。
もしご自分の環境で防犯に真剣に検討するご希望があれば、ぜひプロの方のご指導を仰ぐことをお薦めします。
(とまあ、あまりにも褒めすぎたので、落としておくかな・・・)
最後に、
「じゃ、またお願いします」と挨拶したら、
「ガッテンだ!」とこのポーズ。
これだよ・・・。
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