城田実さんコラム 第41回 アホック釈放が社会に与える影響とは? (Vo.92 2019年2月25日号メルマガより転載 ) アホック前ジャカルタ州知事が20ヶ月の禁固刑を終えて釈放された。折から大統領選挙戦の終盤で両陣営が最後の追い込みに拍車をかけている時期でもあるので、アホック氏の政治的な去就に大きな関心が集まったのは自然の成り行きであった。既に旧聞に属する話の蒸し返しで恐縮だが、やはり意味深い事件だったように思われる。 アホック氏はジョコウィ大統領がジャカルタ州知事だった時の副知事で、ジョコウィ氏の大統領就任に伴って知事に昇格した。住民自治に具体的な実績をもたらすことを最優先して、前例やしがらみなどには全くとらわれないという清新さが二人に共通する政治姿勢として評価されていた。その意味では理想的なカップルであったし、政界ではアホック氏はジ...28Feb2019城田 実「インドネシア生々流転」
城田実さんコラム 第40回 大統領選ディベートで見えたもの (Vo.91 2019年1月28日号メルマガより転載 ) 大統領選挙の候補者討論会が始まった。ネット上の中傷や偽情報あるいは陣営拡大の駆け引きばかりが横行していることにうんざりしていた有権者には、選挙戦後半に向けて中身のある政策論を期待させる行事として関心を集めたようだ。 しかし、主催者の選挙委員会がパネリストからの質問リストを事前に候補者に通知すると決めたり、個別具体的な問題を議論の対象にしないなどと余計な制約を加えたために、その期待がかなり削がれた中での討論会となった。質問の事前通知は、2014年の大統領選挙討論会でプラボウォ候補が理解できない質問を受けて回答に窮したことがあったので、同候補の陣営から要請があったためらしいとも言われている。 ところがいざふたを開けてみると...28Feb2019城田 実「インドネシア生々流転」