城田実さんコラム 第44回 暴動と国軍、政治の関係 (Vol.105 2019年6月17日号メルマガより転載 ) 大統領選挙結果の発表を契機にして発生した暴動は、いくつもの波紋と様々な憶測を生んでいる。波紋の一つは、選挙結果への抗議デモを意図的に暴動に発展させ、その混乱の中でデモ参加者を計画的に射殺した上で、これを警察の仕業に仕立てて政府を追求する大規模な騒乱状態を作り上げようとする計画が摘発されたというものだった。ティト警察長官は、容疑者から押収した小銃を記者会見で示しながら、容疑者の供述や関係者の証言および物証が揃っていると立件に自信を示した。 ティト長官の記者会見を聞いて、かつてスハルト政権の崩壊やスカルノ大統領の失脚の契機となった大規模デモが、デモ参加者に死者が出たことで騒乱状態、さらには政変への大きなエネルギーが生まれる一つのきっか...17Jun2019城田 実「インドネシア生々流転」