轟英明さんのインドネシア・レビュー、第11回 アジア大会で金メダル独占!伝統的護身術プンチャック・シラットの奥義に迫る!!インタビュー後半 前回に続き、日本プンチャック・シラット協会会長にして、日本人として只一人の国際審判員ライセンス保持者である早田恭子さんへのインタビュー後半をお届けします。今回は動画を多数紹介しますので、読者の皆様には是非クリックしていただき、シラットの魅力の一端にふれていただければ幸いです。 インタビューに入る前に、早田さんお勧めのシラットの動画をまずはご覧ください。これはジャカルタでのイベントで、飛び跳ねたりする派手さはありませんが、達人の熟練した動きが実に魅力的です。07Jan2019轟 英明「私がインドネシアについて知っている二、三の事柄」
轟英明さんのインドネシア・レビュー、第11回 アジア大会で金メダル独占! 伝統的護身術プンチャック・シラットの奥義に迫る ~日本プンチャック・シラット協会会長 早田恭子さんインタビュー前半しばらく諸事情により休載致しましたことを、遅ればせながらお詫びいたします。 前回はインドネシアのポピュラーカルチャー、特にポピュラー音楽について、研究者の金悠進(キム・ユジン)さんにインタビューしました。音楽そのものよりも、その周辺との関係性について紙面を割いてしまったのは私の関心が反映された結果なのですが、ポピュラー音楽そのものの面白さについて別の機会にまたレポートしたいと思います。 さて、今回も『東南アジアのポピュラーカルチャー』を元にインドネシア現代文化の知られざる一面を書くつもりでしたが、先日閉幕した第18回アジア大会(Asian Games) でのインドネシア大躍進を記念して、伝統的護身術「プンチャック...07Jan2019轟 英明「私がインドネシアについて知っている二、三の事柄」
轟英明さんのインドネシア・レビュー、第10回 『東南アジアのポピュラーカルチャー アイデンティティ・国家・グローバル化』の深みにハマる ~ 執筆者の一人キム・ユジンさんインタビュー(後半) 前回は大部の論文集『東南アジアのポピュラーカルチャー アイデンティティ・国家・グローバル化』の前書きと概要を簡単に紹介しました。今回も執筆者の一人であるキム・ユジンさんへのインタビューを続けたいと思います。ユジンさんは第10章「インドネシア・インディーズ音楽の夜明けと成熟」、またコラム15「ステージからモスクへ?」を担当されました。 20Aug2018轟 英明「私がインドネシアについて知っている二、三の事柄」
轟英明さんのインドネシア・レビュー、第9回 『東南アジアのポピュラーカルチャー アイデンティティ・国家・グローバル化』の深みにハマる ~ 執筆者の一人キム・ユジンさんインタビュー(前半)前回はリッポー(力宝)グループ会長モフタル・リアディが日本経済新聞に一ヶ月連載した『私の履歴書』に私なりの注釈を加えてみました。新聞連載中に日本でおこなわれた講演会に出席したモフタル氏は89歳の高齢ながら矍鑠(かくしゃく)たるご様子で、同行された奥様やご家族と銀座での買い物を楽しまれたとのこと。1950年代後半、モフタル氏の一度目の破産の危機を自ら子ども服を縫って助けた奥様は、今でもいざとなれば自分でアパレルブランドを立ち上げて夫を支えられるほどの気力をお持ちらしく、これこそ内助の功。進行中の巨大プロジェクト・メイカルタ開発の進展具合を含め、私にとってリッポーグループへの関心は尽きません。読者の中でモフタル氏の『私の履歴書』及びイン...20Aug2018轟 英明「私がインドネシアについて知っている二、三の事柄」
轟英明さんのインドネシア・レビュー、 第8回 リッポーグループ会長モフタル・リアディの履歴書読み比べ 前回までは三回にわたりインドネシア社会を読み解くキーワードとして怪奇映画やオバケについて語ってきました。今回からは去る3月に出版された論文集『東南アジアのポピュラーカルチャー アイデンティティ・国家・グローバル化』を元にインドネシア及び東南アジアの大衆文化についてより突っ込んだディープな話をするつもりでしたが、急遽予定を変更して、インドネシアを代表する華人財閥リッポー(力宝)グループ会長モフタル・リアディの履歴について簡単なメモを残したいと思います。 本稿執筆のきっかけは、5月発行の本メルマガに日本経済新聞文化欄「私の履歴書」バックナンバーが添付されており、リッポー会...20Aug2018轟 英明「私がインドネシアについて知っている二、三の事柄」
轟英明さんのインドネシア・レビュー、 第7回 境界を越える女妖怪、クンティラナック 前回はインドネシア怪奇映画の女王スザンナについて語り、最後は彼女の代表作Sundel Bolong の有名な場面を紹介しました。読者の方々はこの動画を見てゲラゲラ笑ったでしょうか?それともサテ屋の二人組のように、恐怖のあまり逃げ出したでしょうか?あるいはあまりの荒唐無稽さに馬鹿ばかしさに唖然(あぜん)とされたでしょうか? 20Aug2018轟 英明「私がインドネシアについて知っている二、三の事柄」
轟英明さんのインドネシア・レビュー、 第6回 「怪奇映画の女王」スザンナがスクリーンに蘇る時 前回は昨年大ヒットした怪奇映画『悪魔の奴隷』(原題Pengabdi Setan)について語りました。反イスラーム的な内容の古風なスタイルのオバケ話が、なぜ今のインドネシアで観客動員数が400万人を超えるほど大ヒットするのか、私なりに考えた仮説を提示してみましたが、実のところよく分からないなあというのが正直なところです。ただ、私にとってはこの「分からなさ」がインドネシアに長年住んでいて面白いと感じる部分でもあります。 そんなわけで、前回参考文献として挙げた『怪奇映画天国アジア』を今回も参照して、インドネシアにおける怪奇映画の概略と、その際には必ず言及される女優スザンナ(1942年~2008年)について、今回は...05Mar2018轟 英明「私がインドネシアについて知っている二、三の事柄」
轟英明さんのインドネシア・レビュー、 第5回 『悪魔の奴隷』が描く恐怖とは何か? 前回まではインドネシアの国家英雄であるチュッ・ニャ・ディン、カルティニ、タン・マラカについて映画や書籍を通して語ってきました。今回からはややお堅い国家英雄の話からは離れ、もう少し俗な話題を取り上げていきたいと思います。まずはインドネシア人が大好きなオバケに関連した話から。オバケと聞いて眉をひそめる方もいるかもしれませんが、オバケが分かればインドネシアのことも分かるはず!と信じてつらつら書いてみようと思います。 ここ数年のインドネシア映画界が産業としても好調なことは、チカランやジャカルタの映画館へ最近行かれた方は肌で感じていると思います。年々増加するスクリーン数と映画鑑賞人口には海外投資家も注目し始めており、...08Feb2018轟 英明「私がインドネシアについて知っている二、三の事柄」
轟英明さんのインドネシア・レビュー、 第4回 「冒険小説を生きた革命家」タン・マラカとは何者か? 明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。今年もインドネシアに関する諸々の事柄を私なりの視点で徒然なるままに書いていきたいと思います。 さて、前回までチュッ・ニャ・ディンにカルティニと、インドネシアを代表する国家英雄について映画や本を介して書いてきましたが、このまま偉人ネタ、英雄ネタばかり続けるのも芸がないと思うので、一応今回で区切りをつけます。 今回取り上げるのは、地球を2周するほど世界を股にかけた革命家であり、生前から民族運動の伝説的ヒーローとして名を馳せながら非業の死を遂げ、日本とも非常に深い因縁があり、長らく忘れられた存在でありながら、スハルト退陣以降のインドネシアで劇的に復権した、西スマ...08Jan2018轟 英明「私がインドネシアについて知っている二、三の事柄」
轟英明さんのインドネシア・レビュー、 第3回 映画『カルティニ』が描いたものと描かなかったもの 前回に続き今回もインドネシア女性解放運動の先駆者にして国家英雄のラデン・アジェン・カルティニについて、今年4月に公開された映画 Kartini (ハヌン・ブラマンティヨ監督)を手掛かりに、カルティニの実像とフィクションの関係を語ってみたいと思います。まずは映画の紹介から。11Dec2017轟 英明「私がインドネシアについて知っている二、三の事柄」
轟英明さんのインドネシア・レビュー、 第2回 土屋健治著『カルティ二の風景』と画家・森錦泉 前回は私にとって強烈な「異文化」を感じさせ、その後アチェそしてインドネシアへといざなうきっかけとなった映画「チュッ・ニャ・ディン」について語りました。第2回目の今回は、チュッ・ニャ・ディンと同時代人であり彼女同様インドネシアの国家英雄でもある、インドネシアにおける女性解放運動の先駆者ラデン・アジェン・カルティニについて、一冊の本と一人の日本人画家を通して語ってみたいと思います。 チュッ・ニャ・ディンの名前を知らないインドネシア在住日本人の方でも、カルティニの名前を耳にしたことがあるという人は結構多いのではないでしょうか。インドネシアで最も正統派と目される婦人雑誌のタイトルはKartini ですし、毎年4月21日の彼女の誕生日は「カ...02Dec2017轟 英明「私がインドネシアについて知っている二、三の事柄」
轟英明さんのインドネシア・レビュー、第1回 インドネシア映画『チュッ・ニャ・ディン』(ビデオCDジャケット、旧綴りのTjoet Nja' Dhien) チカラン日本人会メルマガ編集責任者の宮島さんの要請で、今回からインドネシアを知るための本や映画についての連載をすることになりました、チカラン在住の轟英明(とどろき・ひであき)と申します。インドネシアには2002年から定住、チカランには2008年末から住んでます。私はインドネシアの専門家(インドネシアニスト)ではないので、後日その筋の方から非難されるのではないかと内心ビクビクしてますが、清水の舞台から飛び降りるつもりで、私が今まで読んできた本や観てきた映画などについて、未読未見の方にも分かりやすいように紹介してみたいと思います。いつまで続くか分からないこの連載を読まれ...02Dec2017轟 英明「私がインドネシアについて知っている二、三の事柄」