轟英明さんのインドネシア・レビュー、 第3回 映画『カルティニ』が描いたものと描かなかったもの 前回に続き今回もインドネシア女性解放運動の先駆者にして国家英雄のラデン・アジェン・カルティニについて、今年4月に公開された映画 Kartini (ハヌン・ブラマンティヨ監督)を手掛かりに、カルティニの実像とフィクションの関係を語ってみたいと思います。まずは映画の紹介から。11Dec2017轟 英明「私がインドネシアについて知っている二、三の事柄」
城田実さんコラム第20回 ジョコウィの『周辺からの開発』を考える (メルマガvol.38より転載) ジョコウィ大統領は今年、パプア地方を3回訪問している。大統領に就任したばかりの2014年末には早々と州都ジャヤプラを訪れ、キリスト教徒の多い同地の住民と一緒にクリスマスを祝っている。大統領としては初めてのことであると当時のマスコミは報じて歓迎した。 私は当初、大統領の人気取りの気持ちが混じった政治的なジェスチャーではないか、と少し距離を置いて見ていたが、その後も大統領は頻繁に訪問している。大統領の動静を伝える報道を見ていると、パプア地方だけでなく、東西5千キロの広大なインドネシアの僻地、遠隔地に大統領は意図的に信念を持って訪れていることが分かる...05Dec2017城田 実「インドネシア生々流転」
池田華子さん「インドネシアの丸かじり」第2回「パパイヤはおいしいか?」 フィリピンでマンゴーにハマった。インドネシアではドリアンにハマった。マンゴーにもドリアンにも、ほとんど「恋しちゃった」状態。マンゴーとの初めての出会いや思い出、ドリアンとの長い付き合い、何百字でも語れます。ハマらなかったのは、パパイヤだ。 四角形にカットされたオレンジ色のパパイヤを最初に食べた時、子供のころからの期待(後述)を裏切られたような気がした。ワクワクさせる濃いだいだい色の華やかな見かけに反し、なんだか輪郭のぼんやりした、野菜っぽい味。甘いのか甘くないのか、はっきりしない。定番でライムを搾るのも、確かにサッパリとしておいしくなるのだが、よく考えてみるとなんだか妙な取り合わせだ。 「消化を助ける。体に...03Dec2017池田 華子「インドネシアの丸かじり」
池田華子さん「インドネシアの丸かじり」第1回「チレボンを丸かじり」 チレボンは、景色も料理も、これがインドネシアだなって思うような工夫やスパイスが効いていて面白いんです。 港町ならではの開放感と古き良きジャワらしさがあって、すごく居心地の良い街です。 高速が出来たので、ジャカルタから車で3〜4時間ぐらいで行けます。バティックのお買い物がてら、是非、週末にお出かけください。①「私史上最高」のアヤム・ゴレン 「アヤム・ウンバラン」(Ayam Umbaran)の「umbaran」はジャワ語で「放たれた、リリースされた」という意味。つまり、「放たれた鶏」。チレボンのこの店のアヤム・ゴレンが、「私史上最高」のアヤム・ゴレンである。 長い竹串に、骨の付いたままの肉が刺し...03Dec2017池田 華子「インドネシアの丸かじり」
轟英明さんのインドネシア・レビュー、 第2回 土屋健治著『カルティ二の風景』と画家・森錦泉 前回は私にとって強烈な「異文化」を感じさせ、その後アチェそしてインドネシアへといざなうきっかけとなった映画「チュッ・ニャ・ディン」について語りました。第2回目の今回は、チュッ・ニャ・ディンと同時代人であり彼女同様インドネシアの国家英雄でもある、インドネシアにおける女性解放運動の先駆者ラデン・アジェン・カルティニについて、一冊の本と一人の日本人画家を通して語ってみたいと思います。 チュッ・ニャ・ディンの名前を知らないインドネシア在住日本人の方でも、カルティニの名前を耳にしたことがあるという人は結構多いのではないでしょうか。インドネシアで最も正統派と目される婦人雑誌のタイトルはKartini ですし、毎年4月21日の彼女の誕生日は「カ...02Dec2017轟 英明「私がインドネシアについて知っている二、三の事柄」
轟英明さんのインドネシア・レビュー、第1回 インドネシア映画『チュッ・ニャ・ディン』(ビデオCDジャケット、旧綴りのTjoet Nja' Dhien) チカラン日本人会メルマガ編集責任者の宮島さんの要請で、今回からインドネシアを知るための本や映画についての連載をすることになりました、チカラン在住の轟英明(とどろき・ひであき)と申します。インドネシアには2002年から定住、チカランには2008年末から住んでます。私はインドネシアの専門家(インドネシアニスト)ではないので、後日その筋の方から非難されるのではないかと内心ビクビクしてますが、清水の舞台から飛び降りるつもりで、私が今まで読んできた本や観てきた映画などについて、未読未見の方にも分かりやすいように紹介してみたいと思います。いつまで続くか分からないこの連載を読まれ...02Dec2017轟 英明「私がインドネシアについて知っている二、三の事柄」